「地図にない町」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)

「地図にない町」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)

原題:”The Commuter”、原作:フィリップ・K・ディック「地図にない町」”The Commuter”、監督:トム・ハーパー、脚本:ジャック・ソーン、出演:ティモシー・スパル、アンソニー・ボイル、ルディ・ダーマリンガム、レベッカ・マンレイ、トゥペンス・ミドレトン、ヘイレイ・スクゥアイレス、ニコール・アガダ、アン・アキン、レベッカ・バーチ、トム・ブルック、ローレン・カルセ

「地図にない町」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)のあらすじ

エドは駅に20年勤めている。ある日、チケット売り場に女性が現れ「メイコンハイツ」までの切符を買い求める。しかし、路線にはそんな名前の駅は存在しない。エドはそう説明し、彼女から一瞬目を離す。すると、彼女の姿は消えていた。
エドが仕事を終え帰宅すると、家の前にパトカーが停まっている。息子のサムは心の病を抱えていて、女の子に暴力を振るってしまったのだ。
明くる日、また女性が現れる。エドは彼女を事務所に招き入れ、同僚のボブと共にメイコンハイツについての話を聞く。そこはその駅から28分ぐらいのところにあると彼女は言う。エドとボブが路線図を見せて説明しようとすると、また彼女はいつの間にか姿を消していた。
エドは妻のメアリーと共にサムを医者に連れて行く。医者は心の病が悪化していると彼らに告げる。エドはサムの将来について恐怖を感じる。
次の日、メイコンハイツが気になるエドは仕事中にも関わらず電車に乗り込んでしまう。28分後、電車の走行中、駅の無い所で一人の乗客が扉を開けて飛び降りる。エドもその乗客に続いて飛び降りる。同じように何人もの乗客が飛び降りていた。彼らと共に歩いていくと、そこには町がある。エドはその町を歩き回る。そして例の謎の女性リンダと出会う。そここそが「メイコンハイツ」、理想の町だった。
エドが帰宅すると、そこは違う世界になっていた。

「地図にない町」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)の感想(ネタバレあり)

メイコンハイツから帰ってみると、サムがいなくなっていた。元々サムが生まれていない世界に変わっていたのだ。
エドはサムに手を焼いていたので、正直ほっとする。
あちら側の世界とこちら側の世界というのは「真生活」とも似たテーマである。「真生活」では機械によって二つの世界を行き来するが、基本的に自分以外の存在は干渉し合わない。「地図にない町」ではあちら側の世界に行くとこちら側の世界に変化が生じる。エドの場合はサムがいるか、いないかだ。サムは愛する息子だが、思春期を迎え、心の病が悪化し、エドの悩みの種となっている。サムがいなくなればいいのに、と思うエドの気持ちはわからないわけではない。が、思うのと、実際になるのとは大違いだ。どんなに手を焼かせようと息子は息子なのだ。エドは見せかけの幸せに抗い、サムを取り戻そうとする。親だなあ。
だが、これが暴力を振るう親から逃げたい子供の話だったらどうだろう?その場合はやっぱり離れた方が幸せな気がする。立場によって物語は変わるのだな。

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