「よそ者を殺せ」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)

「よそ者を殺せ」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)

原題:”Kill All Others”、原作:フィリップ・K・ディック「吊るされたよそ者」”The Hanging Stranger”、監督:ディー・リーズ、脚本:ディー・リーズ、出演:メル・ロドリゲス、サラ・ベイカー、ジェイソン・ミッチェル、グレン・モーショワー、ルイス・ハーサム、ドゥショウン・モニーク・ブラウン、ヴェラ・ファーミガ

「よそ者を殺せ」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)のあらすじ

フィルことフィルバート・ノイスは自動工場の工員。自動で現れるホログラムの広告にうんざりしている。一方、妻のマギーはコーヒーを買うと現れるホログラムの男性に疑似恋愛している。フィルは自動運転車を使わず電車で通う古いタイプの人物だ。エドの工場にはかつて300人の従業員がいたが自動化され現在は3人の工員しかいない。夜、フィルが自宅でテレビを観ていると、単一政党制の「候補者」が討論会で「よそ者を殺せ」と発言するのを聞く。しかし、その発言は問題にされず、翌日、会社に行っても話題になっていないし、ネットでも検索できない。フィルが電車で帰宅途中、車両が突然緊急停止し、間もなくスタートする。その時、フィルは「よそ者を殺せ」と書かれた屋外広告を目にし、思わず電車の緊急停止ボタンを押してしまう。フィルはそのことで警察の尋問を受ける。フィルは精神異常を疑われ、公共交通機関の使用を禁じられる。翌朝、マギーの運転する車で通勤途中、フィルは女性が集団に暴行されているのを見かけ、助けに入る。が、女性は「よそ者」であり、フィルは再び警察の尋問を受ける。そして会社では健康監視装置を装着することを命じられる。フィルは会社の近くに「よそ者を殺せ」と書かれた看板が設置されているのを見て「候補者」に質問することを決意する。

「よそ者を殺せ」(フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズより)の感想

フィルがおかしいのか、政治がおかしいのか?最後にならないとそれがわからない。
フィルは元々政治に関心を持っているが、妻や同僚たちはどちらかというと政治に無関心だ。だからこそ、フィルはおかしなことが起こっていると気付くことができた。
この「候補者」は「排除の論理」を語っている。つい最近、「排除の論理」で失敗した政治家が日本にもいたことが思い出される。「よそ者」というのは某政治家が言った「あんな人たち」と同じ意味だ。フィルの同僚が何事もなかったかのようにビリヤードを続けるのは、無関心な民衆への皮肉だ。
フィルの立ち回り方はあまり上手でなかったし、個人の力には限界があるが、それでも政治に無関心でいることは自分の首を絞めることだということを忘れないでいたいと思う。

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