高い城の男

フィリップ・K・ディック「高い城の男」

1962年出版、原題:”The Man in the High Castle”

フィリップ・K・ディック「高い城の男」

フィリップ・K・ディック「高い城の男」

フィリップ・K・ディック「高い城の男」の登場人物

ロバート・チルダン

骨董品を扱うアメリカ美術工芸品商会の店主。

フランク・フリンク

本名、フランク・フィンク。ニューヨーク生まれのユダヤ人。1941年にアメリカ陸軍に入隊したが、終戦を西海岸で迎え、現在サンフランシスコ在住。ジュリアナ・フリンクと1年前に離婚。WMコーポレーションを解雇され、エドと新会社を立ち上げる。

ウインダム・マトソン

WMコーポレーションの社長。表向きは鉄工所だが、裏で骨董品の模造品を製造している。

田上信輔

大日本帝国政府太平洋岸第一通商代表団の責任者。

ジュリアナ・フリンク

コロラド州キャノン・シティ在住。柔道の教師。フランクと離婚。

バイネス

スウェーデン人のセールスマン。商談のため田上の許を訪れる。

エド・マッカーシー

WMコーポレーションの工員。フランクに新会社を立ち上げを持ちかける。

ジョー・チナデーラ

イタリア人の元兵士。ジュリアナとハンバーガー・スタンドで知り合い、『イナゴ身重く横たわる』を彼女に読ませる。

アベンゼン・ホーソーン

『イナゴ身重く横たわる』の作者。〈高い城〉に住んでいる。

フーゴー・ライス

男爵。サンフランシスコ駐在ドイツ帝国領事。

クロイツ・フォン・メーレ

太平洋岸連邦SD地方長官。

フィリップ・K・ディック「高い城の男」のあらすじ

第二次世界大戦に勝利した日本とドイツは世界を二分して支配していた。アメリカの太平洋岸は日本が統治し、アメリカ太平洋岸連邦となっている。通商代表団の田上は日本とドイツを巻き込む何やら不穏な動きに巻き込まれようとしていた。そんなおり、ドイツ第三帝国のボルマン首相が死去し、政変が起きる。市民の間では通称「高い城の男」が書いた『イナゴ身重く横たわる』という本が読まれていた。そこには、大戦でアメリカやイギリスが勝利した架空の世界が描かれていた。

小説版「高い城の男」とドラマ版「高い城の男」の違い

小説では『イナゴ身重く横たわる』は高い城の男が書いた小説だ。ドラマではパラレルワールドが映されたフィルムのことを指している。そして高い城の男はフィルムのコレクターでレジスタンスの指導者だ。
小説のジュリアナは、欲望に左右される俗物的な人間だ。ドラマでは歴史を変えるキーパーソンとなっている。衝動的な部分は似ているが、理性的な部分も兼ね備えている。
フランクは小説では商売の事とジュリアナのことしか考えていない。ドラマではレジスタンスに参加し、商売とジュリアナは二の次になっている。
エドは小説ではフランクに新ビジネスをやらせるほど積極的だ。ドラマではフランクの親友だが、どちらかと言うと一歩下がって応援している感じになっている。
ジョーが実はドイツのスパイであるというのは共通だ。小説ではバレた途端にジュリアナに殺されてしまう。ドラマではジュリアナが逃亡に手を貸したり、実は首相の息子だったり、かなり重要な役柄となっている。
田上がフランクの工芸品を手に持ってパラレルワールドに迷い込むという場面は唯一同じような設定だ。ドラマの世界観はここから広げられたのだろうか?
このように役柄も設定もかなり変更されている。ディックの映像化作品は、原作に忠実に作られたものは一つもない。だが、名作が多い。不思議である。

フィリップ・K・ディック「高い城の男」の感想

上で述べたようにドラマを観てから小説を読んでも違和感があるかもしれない。だが、これは名作だと思う。先入観を捨てて読んで欲しい。

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